外部送信ポリシーの書き方|記載例・ひな形と主要6サービス別テンプレート

この記事では、外部送信規律(電気通信事業法第27条の12)に対応する「外部送信ポリシー」ページの書き方を、そのままコピーして使える記載例付きで解説します。掲載しているテンプレートを自サイトで使っているサービスに合わせて選び、必要な調整をすれば、ポリシーページの土台が完成します。
そもそも自分のサイトが対象なのか、どの対応ルートを選ぶべきかを確認したい方は、先に「外部送信規律とは?WordPressサイトの対応方法」をご覧ください。本記事は、通知・公表ルートを選んだ方向けの実作業ガイドです。
記載が必要な3項目と守るべきルール
外部送信ポリシーには、外部にデータを送信しているサービスごとに、次の3点を記載します(電気通信事業法施行規則第22条の2の29)。
- 送信される利用者情報の内容
- 送信先の事業者の氏名または名称
- 利用目的
このとき、総務省のガイドライン・FAQが示す実務ルールが4つあります。
ルール1: 事業者名は必須。サービス名は併記。 「Googleアナリティクス」だけでは足りず、「Google アナリティクス(Google LLC)」のように事業者の正式名称を書きます。
ルール2: 利用目的は「自サイト側」と「送信先側」の双方。 自分がなぜそのタグを使っているか(例: アクセス解析のため)と、送信先がその情報を何に使うか(例: サービスの提供・改善のため)の両方が必要です。
ルール3: 送信先の詳細はリンクで補えるが、日本語ページに限る。 送信先の利用目的は公式ページへのリンクで補足できますが、英語のみのページへのリンクだけで済ませる対応は認められていません。リンクする場合も内容の概略を併記するのが望ましいとされています。
ルール4: 「等」「その他」でぼかさない。 送信される情報は利用実態に合わせて具体的に列挙します。
また、ページの表示方法にも要件があります(施行規則第22条の2の28)。日本語で、専門用語を避けた平易な表現で、適切な文字サイズで表示すること。そして全ページから容易に到達できる場所(実務的にはフッター)にリンクを置くことです。
ページ全体のひな形
ポリシーページの全体構造は、次の形が標準的です。
- ページタイトル(「外部送信ポリシー」「利用者情報の外部送信について」など)
- 冒頭の説明文
- サービスごとの記載(3点セット)
- 最終更新日
冒頭の説明文は、次のひな形をお使いください。
当サイトでは、サービスの利便性向上、利用状況の分析、広告の配信などのため、以下に示す外部の事業者に対して、お客様に関する情報が送信されています。送信される情報の内容、送信先の事業者名、利用目的は、サービスごとに以下のとおりです。
主要6サービスの記載テンプレート
ここからが本記事の中心です。日本のWordPressサイトで使用頻度の高い6サービスについて、そのまま使える記載例を掲載します。自サイトで実際に使っているサービスの分だけをコピーしてください(使っていないサービスまで載せる必要はありません)。
なお、Google系サービスの参照リンクには、Googleが日本の外部送信規律向けに用意している日本語ページを使っています。このページは総務省のFAQでも参照先として例示されているもので、リンク先として安心して使えます。
1. Google アナリティクス(GA4)
Google アナリティクス(Google LLC)
- 送信される情報: Cookie等に保存された識別子(クライアントID)、閲覧したページのURLとタイトル、閲覧日時、サイト内での操作情報(クリック・スクロール)、参照元URL、ご利用の端末・ブラウザの種類、画面サイズ、おおよその地域情報
- 当サイトの利用目的: 当サイトの利用状況を分析し、コンテンツやサービスの改善に役立てるため
- 送信先の利用目的: Googleがアクセス解析サービスの提供および同社サービスの維持・改善のために利用します(Googleのポリシーページ)
- 無効化(オプトアウト): Google アナリティクス オプトアウト アドオン
2. Google タグマネージャー(GTM)
Google タグマネージャー(Google LLC)
- 送信される情報: タグ設定の取得に必要な情報(閲覧ページのURL、ブラウザ情報)
- 当サイトの利用目的: 当サイトで利用する計測・広告等のタグを管理・配信するため
- 送信先の利用目的: Googleがタグ配信サービスの提供のために利用します(Googleのポリシーページ)
重要な注意: GTMを記載しただけでは不十分です。GTM経由で発火している個々のタグ(GA4、Google広告、Metaピクセルなど)も、それぞれ個別に記載が必要です。GTMの管理画面でタグの一覧を確認し、動いているタグの分だけ本記事のテンプレートを追加してください。
3. Google AdSense
Google AdSense(Google LLC)
- 送信される情報: Cookie等に保存された広告識別子、閲覧したページのURL、閲覧日時、ご利用の端末・ブラウザの種類、IPアドレスに基づくおおよその地域情報
- 当サイトの利用目的: 当サイトに広告を掲載し、その収益によりサイトを運営するため
- 送信先の利用目的: Googleが利用者の興味・関心に応じた広告の配信、広告の表示回数制御・効果測定・不正防止のために利用します(Googleのポリシーページ)
- 無効化(オプトアウト): Google 広告設定でパーソナライズ広告を無効化できます
4. Metaピクセル
Metaピクセル(Meta Platforms, Inc.)
- 送信される情報: Cookie等に保存された識別子、閲覧したページのURL、閲覧日時、ボタン操作等の行動情報、ご利用の端末・ブラウザの種類
- 当サイトの利用目的: 当サイトが出稿する広告の効果測定および広告配信の最適化のため
- 送信先の利用目的: Metaが広告の配信・最適化・効果測定およびサービスの改善のために利用します(Metaプライバシーポリシー)
5. YouTube動画の埋め込み
YouTube(Google LLC)
- 送信される情報: 動画の視聴履歴・操作情報、Cookie等に保存された識別子、閲覧したページのURL、ご利用の端末・ブラウザの種類
- 当サイトの利用目的: 当サイト上で動画コンテンツを表示するため
- 送信先の利用目的: Googleが動画配信サービスの提供、利用状況の分析、および広告配信のために利用します(Googleのポリシーページ)
補足: YouTubeの埋め込みには「プライバシー強化モード」(埋め込みURLを youtube-nocookie.com にする方式)があります。視聴するまでCookieが保存されないため、プライバシー配慮の観点から利用を検討する価値があります。
6. X(旧Twitter)の埋め込み
X(X Corp.)
- 送信される情報: Cookie等に保存された識別子、閲覧したページのURL、閲覧日時、ご利用の端末・ブラウザの種類
- 当サイトの利用目的: 当サイト上でXの投稿(ポスト)を表示するため
- 送信先の利用目的: X Corp.がコンテンツ表示サービスの提供、利用状況の分析、および広告配信のために利用します(Xプライバシーポリシー)
テンプレートにないサービスの書き方
上記6つ以外のサービス(reCAPTCHA、チャットツール、ヒートマップ、アフィリエイトタグなど)を使っている場合は、同じ3点セットを自分で埋めます。手順は次の通りです。
手順1: 送信される情報を調べる。 そのサービスの公式サイトでプライバシーポリシーや技術文書を確認し、「何を収集するか」を特定します。多くの場合「Cookie等の識別子」「閲覧ページ情報」「端末・ブラウザ情報」が基本セットです。
手順2: 事業者の正式名称を特定する。 サービス名ではなく運営会社名(「〇〇株式会社」「〇〇, Inc.」)を、公式サイトの会社概要や利用規約の末尾で確認します。
手順3: 双方の利用目的を書く。 自サイト側の目的は自分の言葉で(なぜそのタグを入れたのか)、送信先側の目的は公式ポリシーの記載を要約して書きます。日本語の公式ページがあればリンクを添えます。
調べても確証が持てない項目を、推測で断定して書くのは避けてください。分かる範囲で具体的に書き、確認した日付を手元に記録しておくのが誠実な運用です。
この作業を1サービス分やってみると分かりますが、正確に書くにはそれなりの調査時間がかかります。使っているサービスが10を超えるサイトでは、初回作成だけで半日仕事になることもあります。
よくある間違い5選
実際のサイトでよく見かける不備を挙げます。公開前のセルフチェックにお使いください。
- サービス名だけで事業者名がない — 「Googleアナリティクスを使用しています」だけでは要件を満たしません。
- 利用目的が自サイト側だけ — 送信先事業者側の利用目的の記載漏れは最も多い不備です。
- 英語ページへのリンクだけ — 海外サービスのプライバシーポリシー(英語)にリンクして終わり、は認められていません。
- GTMだけ書いて中身がない — GTM経由の個別タグの記載漏れ。タグを「束ね」で書くことはできません。
- タグを追加したのにポリシーが古いまま — 作成時は正しくても、その後のタグ追加・削除が反映されていないケース。外部送信ポリシーは「作って終わり」ではなく、サイトの実態と一致し続けている必要があります。
5番目は書き方ではなく運用の問題ですが、実務では一番の難所です。新しい計測ツールの導入、テーマやプラグインの変更、広告タグの入れ替え——サイトに変化があるたびに、ポリシーとの突合が必要になります。
自動生成・自動追従という選択肢
この「作成と維持」の作業を自動化する選択肢として、当方が開発したWordPressプラグイン「Consent Collector JP」(無料)があります。本記事に掲載したものと同内容のテンプレートを内蔵し、セットアップウィザードの質問に答えるだけで外部送信ポリシーの固定ページを自動生成します。法令・ガイドラインの改正や各社の仕様変更には、プラグインのアップデートで追従します。
もちろん、本記事のテンプレートを手動で使っても、法律が求める対応は完成します。サービス数が少なく変化も少ないサイトなら手動で十分です。プラグインは、維持の手間を減らしたい場合・サービス数が多い場合の選択肢としてご検討ください。
まとめ
- 記載は「送信される情報・事業者名・双方の利用目的」の3点セットをサービスごとに
- 事業者名の併記・日本語リンク・「等」の回避、の実務ルールを守る
- 作って終わりではなく、タグの増減に合わせた更新まで含めて「対応」
対象事業者かどうかの判定は「外部送信規律とは?対応方法の解説」を、同意バナーの要否は「Cookie同意バナーは日本でも義務?」をご覧ください。
自社サイトが対象かどうかすぐに確認したい方は、「外部送信規律 かんたん該当チェック」(4つの質問に答えるだけの無料診断)もご利用ください。
免責事項: 本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言を提供するものではありません。掲載しているテンプレートは執筆時点の各社の公表情報・一般的な実装に基づくものです。各サービスの仕様・ポリシーは変更されることがあるため、使用前に各社の公式ページで最新の内容をご確認ください。個別の事案への適用については、弁護士等の専門家にご相談ください。



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